追悼文―冲中先生のご逝去を悼む

Obituary.

　恩師沖中重雄先生は去る4月20日不帰の客となられた。東大第三内科で先生の薫陶を受けた一人として私に追悼文を書くようにとのお話しをいただいたが，いざ筆を執ってみると，さまざまな想いが次々と脳裏に去来し，いざ書くとなるとどれを選ぶべきか覚束なさを感じる。

　先生は大学教授として教育，診療，研究の3つを総て完壁に近いまでに全うされた稀にみる内科学の泰斗であった。先生のご逝去によりわが国の医学史の大きな一頁がめくられた感じが強い。