Japanese
English
綜説
免疫担当細胞に関する最近の知見
Recent Advances in Immunocytology
矢田 純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学小児科学教室
1Department of Pediatrics,Tokyo Medical and Dental University
pp.207-215
発行日 1980年3月20日
Published Date 1980/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202911
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はじめに
生体を構成している組織以外の存在,すなわち非自己(not self)は生体が正常の機能を営む上で不都合な存在である。そのような非自己を見つけ出し排除して生体機能の保全を計るのが免疫系の役割である。
排除すべき非自己と保存すべき自己とを厳密に区別するために,免疫系は免疫学的特異性をもつた反応をする。すなわち,それぞれの対応する相手(抗原)とのみ1対1の対応をして反応する仕組みになつている。このような免疫学的特異性をもつものは抗体とリンパ球である。抗体分子にはFab部という1種類の抗原のみを結合する部位があり,リンパ球にはその表面に同じく1種類の抗原のみを結合するレセプターがあつて,ひとつの抗体ないしリンパ球は1種類の抗原としか反応しないという性質をもつているのである。
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