臨床生理検査と技術 Ⅹ 生理検査法規と患者心理
[2]患者心理と患者への接しかた
大山 正博
1
1東北大学医療技術短期大学部(臨床心理学)
pp.661-665
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204137
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現代の社会はまさに情報社会である.さまざまな知識がさまざまな経路をたどって個人に吸収される.医療一般についての知識もまったく同様である.困ったことに,このような知識は必ずしも正しく妥当なもののみとは限らない.
社会の複雑化や高度の能率化などの変化に伴って,人間性もまた変化してきた.おそらく,医療を供給する側にも,技術の進歩や医療組織あるいは考えかたの変化があったであろう.同様に,患者にもまた治療を受けることへの考えかたにさまざまな変化や多様性が生じてきた.このような社会的状況の推移の中で,患者との不必要な軋轢を避けるために,また本来の医療の目的である各種検査や治療の効果を上げるためにも,患者の心理的状況を適切に洞察し,正しく接することが,今後ますます必要になるであろう.
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