Brush Up! CDE―ワンランク上の糖尿病療養指導
Part 1 Brush Up! CDE
高齢者への対応
認知症合併患者の療養のしかたを知る
荒木 厚
1
1東京都老人医療センター内分泌科
pp.224-230
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100080
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Case
軽度の認知症を伴った糖尿病患者の治療法は?
82歳,女性.
75歳に口渇,多飲,多尿,体重減少の症状が出現し,血糖コントロール不良のために,速効型インスリン(6-6-6)による治療が開始された.81歳より物忘れが多くなり,インスリン注射を忘れることが多くなり,血糖コントロールも血糖400 mg/dL,HbA1C 11.1%と悪化し,意欲低下と活動性低下も目立つために入院となった.身長140 cm,体重30.0 kgで高血圧もあり,認知機能検査のMMSE(Box 1)は30点満点中21点と低下していた.軽度の講語障害と嚥下障害あり.胸部,腹部に異常を認めず.四肢は腱反射の消失と振動覚の低下があり,末梢神経障害を伴っていた.頸動脈エコーでは左総頸動脈に30%の狭窄あり,脳MRでは両側の基底核,放線冠,脳幹に脳梗塞が多発していた.
このような認知症を伴った糖尿病患者のみかたや治療法は?
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