トピックス
生理的ペーシング
北野 幸英
1
,
橋場 邦武
1
1長崎大第三内科
pp.276
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204031
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近年の工学的進歩に伴い,徐拍性不整脈に対する人工ペースメーカー(PM)治療は普及し,わが国においても広く行われる治療法となり,年間約1万例の植え込みが行われている.
房室ブロックや洞不全症候群などの徐拍性不整脈に対して,従来は右心室にカテーテル電極を一本挿入し,右室のみの電気刺激を行う心室ペーシング(VVI)が行われていた.しかし,これは患者の最低の心拍数を設定された数値(セットレート)に保つのみで,救命的という意味では非常に有用ではあるが,日常の活動能力の向上という点では限界のあることが少なくない.つまり,VVI型PMの植え込みの行われた患者では,めまい,失神発作などは消失しても,労作時の息切れや動悸が消失しない場合,あるいは心不全症状などが消失しない場合,あるいはPM植え込み後に新たにこれらの症状が出現する場合などもある.
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