けんさアラカルト
困難さを増す老人の検査
江戸 一
1
1三村病院検査室
pp.191
発行日 1986年2月1日
Published Date 1986/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203590
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問題化する老人の検査
老人問題,ことに寝たきり老人の問題は,国家的,家庭的,社会的にも重要かつ困難な課題となってきている今日この頃である.医師,看護婦,保健婦,そして我々検査技師などの医療関係者,さらに家族,その他の専門的知識こそ乏しいが介助をする者の協力が必要不可欠である.そこで,我々,検査する者の立場から,いろいろなことについて述べてみたいと思う.
ご存じのとおり,寝たきりになる原因としては,脳卒中による半身不随,痴呆によるもの,また二次的に起こる筋の萎縮,関節の拘縮,骨多孔症,種々の疼痛,起立性低血圧などの廃用性症候群によるところが多いとされているが,さらに老人の場合には,全身的な総合体力が低下することも大きな原因とされている.
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