特集 病院のゴミ戦争
デイスポがゴミを増し,処理の複雑さを招く
長谷川 一子
1
1国立療養所中野病院
pp.28-31
発行日 1972年6月1日
Published Date 1972/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204676
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最近毎日のように,新聞・雑誌・週刊紙などにゴミの問題が取り上げられ,公害問題とも関連があり,非常に大きな社会問題として発展しつつあり多くの人びとの関心を集めている.経済の高度成長と物質文明の発展は,人びとの生活を豊かにしてきたが,そのために増加してくるゴミの問題はまた深刻である.
昭和46年10月24日の朝日新聞の記事によると,昭和44年度の東京都民の1人1日のゴミの量は986gであるが,昭和45年度は1177gに増加している.当中野病院においては,この数字をはるかに上回り,昭和47年3月の1日平均の患者数は864.7名となっているが,この患者が1日にはき出すゴミの量は平均1500kgある.このほか,1日おきに空罐,化学療法注射液の空ビン,普通一般の飲料水,調味料などの空ビン,使い捨ての注射針などが約1000kgある.夏冬で多少の差はあるが,大体の数字は以上のようになっている.なおそのほかに,1日平均約1000kgの残飯がある.これらのことがいかにして人手不足の現状において処理されているかという実態について述べてみたい.
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