病気のはなし
原発性糸球体腎炎
重松 秀一
1
1信州大学病理学
pp.1014-1019
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203514
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「肝腎かなめ」という言葉があるように腎は身体にとって極めて大切なものであり,正常人では余裕をもたせて一対用意され体液の浄化に主役を演じている.この任務を果たすために腎内の濾過器である糸球体には多量の血液が流れ込んでいる.糸球体にはしたがって,炎症をはじめとしていろいろな障害が起こりうる.体の他の臓器に障害があり,糸球体にも併せて障害の起こる場合もあるが,糸球体だけに炎症がみられる場合には本テーマである原発性糸球体腎炎(原発性腎炎)という言葉が使われる.
腎炎とはどんな症状を呈するものなのだろうか.表1のように腎炎はいくつかの症候群としてとらえられる.病気の程度の軽いもの,進行が早くて死に至る危険性の高いもの,進行は遅いけれどもだんだんと腎臓の機能が悪くなるものなどさまざまである.
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