マスターしよう基本操作
肝・胆道・膵の超音波検査—走査法と超音波解剖
唐沢 英偉
1
,
五月女 直樹
1
,
三木 亮
1
1国立横浜東病院内科
pp.919-924
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202878
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上腹部の超音波検査は消化器病の診断に不可欠の検査法となっている.対象の臓器は,肝臓,胆のう,胆管,膵臓から胃腸管および腎臓と広範囲に及ぶ.装置は手動走査型にかわり,操作が簡便で小さな病変のひろい上げにすぐれる高速走査型のリニア電子スキャンが広く普及している.電子スキャンを用いた診断手技には,画像そのものによる消化器病の診断と特別の穿刺用探触子を用いた超音波映像下の穿刺術があげられる.肝・胆・膵の画像診断では,胆石はもとより2cm以下の小肝癌・小膵癌の診断が可能である.また正常の胆管および膵管が高率に描出できることから黄疸の鑑別,膵癌の早期診断が患者に苦痛を与えることなく行える.穿刺診断では,従来より行われていた経皮的胆管造影(PTC),門脈造影(PTP)が,映像下により安全,確実に施行できるようになった.ここでは上腹部超音波の基本であるリニア電子スキャンによる肝・胆・膵の走査法について述べる.
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