アーチファクト
病理組織
河又 國士
1
1中央鉄道病院中央検査部
pp.925
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202879
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写真1:包埋時の異種組織の混入 H・E染色(×50)
骨髄組織標本に管空構造物(胎児組織)が混入(コンタミネーション)した例.同一包埋皿の子宮内容物から流出混入した.このような混入はむしろまれ,逆に骨髄組織の細片が散乱し,周囲を汚染することのほうが多い.切り出し時の切り屑(細片),使用済の包埋用パラフィンの再使用,小組織片用の籠やピンセットの使用には十分な注意が必要.病理学的検索のみならず他の検査でも,検体の取り違えは重大な問題に発展する.同様に目的とする組織に,人工的な他患者組織(特に癌組織〉の混入は,通常全く考えられない取り合わせでない限り,診断する病理医を苦慮させそして誤診にもつながる.
(付)組織の染色でコンタミネーションは見られない.喀痰や婦人科材料の細胞診標本に同時に染めた胸・腹水中の癌細胞が混入することはまれではない.
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