図譜 消化器病の超音波診断 他検査法との対比による症例の検討
超音波診断の基礎—走査法と超音波解剖
大藤 正雄
1
,
大野 孝則
1
,
土屋 幸浩
1
,
税所 宏光
1
,
木村 邦夫
1
,
唐沢 英偉
1
,
五月女 直樹
1
1千葉大第1内科
pp.116-120
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215735
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はじめに 最近における超音波診断装置の新しい開発と進歩には目覚ましいものがある.今では消化器病の診断に際してX線診断やアイソトープ診断と共に"映像診断法"の一分野としての立場が確立されたと言える.患者の身体への侵襲のほとんどないこと,操作の簡便性は装置の性能の向上に伴って消化器病のスクリーニング,ときに確定診断の検査法としてまことにうってつけの手段と言える.これまでの超音波診断とはその内容がかなり変化し進歩していることを念頭において考える必要がある.
現在,臨床に応用されている超音波診断装置は超音波の反射波を利用しているものであり,ブラウン管への表示方式には反射波を時間軸上に振幅(Amplitude)として表示するAモード方式,反射波の強さを輝度(Bright子ness)として表示し,身体の断層面での反射波の変化を示すBモード方式,また反射波を輝度で示しながら反射点の動き(Motion)を曲線として示すMモード方式がある.なお,Bモード方式には振動子(電気振動を機械振動エネルギーに変換して超音波を発生し,また超音波による機械的振動を電気エネルギーに変換する作用を持つ)からの超音波の進行方向の決め方によってリニア,セクタ,コンパウンドなどの走査法がある.手動のコンパウンド走査装置ではグレースケール表示や同時感度断層などの応用により一段と鮮明な映像が得られるようになった.
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