トピックス
通常パラフィン包埋切片での免疫組織化学
浦野 順文
1
1神戸大病理
pp.777
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202843
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パラフィン包埋切片での免疫組織化学反応は広く行われるようになり,日常の診療活動の中で欠かすことができなくなった.
PAP(ペルオキシダーゼ・抗ペルオキシダーゼ)免疫複合体と検索しようとする抗原の抗体とを,両者に共通の抗体で結合することにより抗体検出の感度が鋭敏になったので,通常のホルマリン固定・パラフィン包埋切片で種々の検索ができるようになった.この方法の開発によって,凍結切片を用いたり,パラフィン包埋を行うにしてもアルコール固定で軟パラフィンを用いたりすることが必ずしも必要でなくなったことは,その普及に大きな役割を演じている.このペルオキシダーゼ活性で抗原が検出されるわけであるが,その検出に用いる発色剤のDAB(3,3'-diaminobenzidine tetrahydrochloride)は発癌性があるということが指摘されているので,これに代わって3-amino-9-ethylcarbazoleが用いられるが,これは有機溶媒にとけるのでキシロールで封入できない.
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