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モノクローン抗体による癌治療
岩田 進
1
1日大板橋病院臨床検査部
pp.778
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202844
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悪性腫瘍の治療には外科的切除,放射線照射,化学療法および免疫療法がある.免疫療法としてはBCGによる治療が有名であるが,同じ効果を期待した薬剤もBCGの他にいくつか開発されている.これら免疫剤による治療は,細胞性免疫,いわゆるT-リンパ球を活性化させ癌細胞の抑制を狙ったものである.一時注目されたインターフェロンも遺伝子工学により量産されつつあり,治験が積み重ねられるにつれて制癌剤としての評価もわかってくるものと期待されている.
近年ハイブリドーマによるモノクローン抗体(MoAb)の研究が進み,MoAbを使った腫瘍の治療の試みが盛んになり注目されている.ハイブリドーマによるMoAbは,1975年Milstein & Köhlerにより開発され免疫学を大きく変えつつあるが,このMoAbを治療に用いる場合にいくつかの方法が考えられている.
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