技術講座 血液
フィブリノゲン測定
鈴木 弘文
1
,
松尾 純孝
2
1北里大学衛生学部
2北里大学衛生学部血液学教室
pp.233-237
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202711
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フィブリノゲンは分子量約340,000の血漿蛋白質であり,主に肝臓で産生される.そして血漿中に200〜400mg/dlという高濃度にて存在している.
フィブリノゲンは他の血液凝固因子と比較して,その性状,構造あるいは純化に関してもっとも研究が進展している物質である.また,フィブリノゲンは血液凝固第I因子として血液凝固(止血)機構の主役をなす物質として古くから知られていたが,その止血機構は,血液凝固機構の進展により生成されたトロンビン(II a)により,フィブリノゲンのαおよびβ鎖のアルギニン・グリシン結合部が切断されフィブリンモノマーとフィブリノペプタイドA,Bに分解されるが,このフィブリンモノマーはやがて重合してフィブリンポリマーを形成する.このさい,第XIII因子とCa2+が作用して安定化フィブリンとなり血液凝固が終了するのである(図1).
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