技術講座 血液
フィブリノゲン測定法
小宮山 豊
1
1関西医科大学病態検査学講座
pp.27-33
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905267
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新しい知見
フィブリノゲン測定法については一般的に自動分析装置を用いたトロンビン時間法による測定が主にルーチン化しており,手術前の出血傾向のスクリーニングやDICの病態把握などに使用されている.最近,動脈硬化性疾患における有用性についても多くの知見が加えられている.筆者らの検討でも糖尿病や虚血性心疾患で病態の重症度に並行してフィブリノゲンが増加することを認めている.これらの結果が集積され,フィブリノゲンが虚血性心疾患で独立した危険因子であることが明らかとなってきている.ヨーロッパのデータであるが,昨年のArterioscler Thromb Vasc Biol(19:67-72,1999)にもErikssonの報告が出ており,フィブリノゲンは女性においても過剰な危険因子であることが証明されている.今後さらに検討が加えられ,その重要性が確立されるのではないかと思われる.
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