技術講座 血液
血漿フィブリノゲンの測定法
大竹 順子
1
1順大病院中検
pp.62-63
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200543
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血漿中のフィブリノゲン(凝固第I因子)の測定は,血漿中に溶解しているフィブリノゲンのみを取り出して直接測定することがむずかしいので,その性質を利用した多数の測定法が考案されている.すなわち,まだ完成された日常検査法術式といわれるほどよい方法はないのが現状である.最も一般的な方法はフィブリノゲン中のチロジンを測定してフィブリノゲン量に換算する術式で,通常チロジン法と呼んでいる.またフィブリノゲンの凝固因子としての性状を利用したフィブリン凝塊秤量法,凝固時間測定法,あるいはフィブリノゲンの抗原性を利用した免疫学的な定量法なども行われる.これらはそれぞれ長所,欠点があり一概にどの方法がすぐれているとは言えないのが現状である.ただ従来行われてきた電気泳動法,塩析法は他の血漿タンパクの混在に影響されることが明らかで特異性に欠ける.
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