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ホルモン受容体
屋形 稔
1
1新潟大検査診断学
pp.936-937
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202611
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ホルモンが標的細胞の生理作用を制御するためには,まず何らかのかたちでその細胞と反応しなければならない.この反応に関与する細胞側の構造を受容体(レセプター)と呼ぶ.ペプチドホルモンのレセプターは一般に細胞の表面にあるし,ステロイドホルモンは,細胞質内にレセプターをもっている.レセプターの条件として,ホルモンに高い親和性を示し,特異的に結合することや,標的細胞に局在し,ホルモンの結合によって細胞内の生物学的作用が誘起されることなどがあげられる.
インスリンは生体の糖代謝に欠くことのできないホルモンであるが,そのレセプターは肝細胞1個(ラット)当たり200,000個あると考えられている.これはシアル酸を含む糖蛋白で分子量は300,000であるとされている.エストロゲンのレセプターは子宮内膜の可溶性画分から分離されており,分子量が200,000の蛋白質である.
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