トピックス
リン菌感染症の迅速診断
青木 良雄
1
1昭和大藤が丘病院
pp.937
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202612
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リン菌感染症はサルファ剤や抗生物質の登場により一時減少したが最近はまた激増の傾向にある.しかも,病像は多彩となり泌尿生殖器の感染にとどまらず,咽頭,直腸からも菌が分離される.一方リン菌との鑑別を要する髄膜炎菌や他のNeisseria属が尿道から分離されたりして,感染防止の面からも正確で迅速な診断が重要である.
感染症の確実な診断には原因菌を分離培養し,同定することが標準的な方法とされている.しかし,これには早くて約2日間を必要とし,リン菌のように生物活性の弱い菌では,さらに多くの日数を要することもある.これでは臨床に役立つための迅速診断からは程遠いと言わねばならない.
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