トピックス
検査データの統計解析
芳賀 敏郎
1
1慶大病院情報システム部
pp.935-936
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202610
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自動分析機の導入によりたくさんのデータが蓄積され,また,コンピュータの普及によりその統計解析が容易に行われるようになった.データをソロバンと電卓で解析していた時代には,まず"正"の字を書いて度数表を作ったり,散布図に点をプロットして,わずらわしい計算をする価値があるかどうかを確かめた.その過程で,データの中に異常値の含まれていることに気がつき,もとの記録の計算間違いや転記ミスを発見したものである.現在では,データをコンピュータに入力し,既存のプログラムを走らせれば,たちどころに結果が出てくるようになった.計算の過程で誤りの入ることはまずない.しかし,入力データに誤りがあれば,結果を信頼できないのは当然である.手作業における予備集計で行われたデータチェックと同様のことを,コンピュータでも本解析に先立って実行することが必要である.
従来のコンピュータの使い方は"バッチ処理"と呼ばれ,あらかじめ決められた手順に従って処理することしかできなかった.大型コンピュータのTSS処理能力の向上またはパーソナルコンピュータの普及によって,計算の中間結果をブラウン管に表示させ,解析者がそれを見て次の処理手順を指示するという"対話処理"を比較的容易に利用することができるようになった.この対話処理は,前に述べたデータの前処理に対して極めて強力な武器となり得るものである.
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