おかしな検査データ
オルセイン色素によるHBs抗原染色の非特異的反応とは何か
千馬 正敬
1
1長崎大学熱帯医学研究所病理学部門
pp.907-908
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202603
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色素によるHBs抗原染色法はオルセインによる志方法1〜3)が広く行われてきた.この染色法では退行変性や壊死に陥った細胞が染め出されたり,細胞質が共染した場合,非常に薄く染まるHBs抗原の検出が困難な場合があった.また,オルセイン色素はメーカー,ロット番号やオルセイン色素および染色液の新旧により染色性が異なる.増感液を使用することにより,上記のような欠点がなくなり,常にコントラストのよい標本を得ることができることを見いだしたので報告した4〜7).また,レゾルシン・フクシン染色法も同様の増感液を使用すると,オルセイン染色法と同様に微量のHBs抗原も検出可能であるので報告した6〜8).
オルセイン染色法によるHBs抗原染色法において,増感液を使用しても細胞質がまれにわずかながら共染することがある.この原因についての考察を行ったので報告する.
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