最近の検査技術
血漿β-トロンボグロブリンの測定
佐藤 マキ
1
,
遠藤 安行
1
1秋田大学医学部第三内科
pp.929-934
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202609
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β-トロンボグロブリン(β-TG)は,血小板のα顆粒中に血小板第4因子(PF4),血小板由来成長因子,ライソゾーム酵素などとともに存在し,血小板の崩壊や凝集によって血漿中に放出される血小板特異蛋白の一種である.
β-TGの名の由来は,セルロースアセテート膜電気泳動で血清β-グロブリンと同じ泳動度を示したことによる1).分子量は36,000で1975年Moorにより,同定された.Ludlam2)らがラジオイムノアッセイ法を開発したことにより,β-TG測定は比較的容易になり,血栓性疾患などの診断にはなくてはならない検査法の一つとなってきた.しかしながら血小板に刺激を与えたり,破壊すればβ-TGは血中に放出されて増加するので,採血や保存条件で測定値はかなり変動しやすいことになる.
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