技術講座 生理
基礎代謝状態を保ちにくい症例の基礎代謝測定
升潟 正子
1
1東京慈恵会医科大学病院中央臨床検査部
pp.756-759
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201910
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基礎代謝とは何か
激しい筋運動,食物の摂取,消化,吸収,精神感情の興奮,冷寒の環境はいずれもエネルギーの消費の増加を伴う.これらの因子の影響をできる限り除いた状態(早朝空腹時,絶対安静)で消費された熱量を測ると,その値は,眼のさめている状態で生命を保持するのに必要な最小限のエネルギー量となる.これを基礎代謝量と呼ぶ.
基礎代謝量の中の80%は脳,心,腎及び腹部臓器の活動に基づくもので,呼吸筋によるものはわずかに5%にすぎないと言われている.ところで基礎代謝を測定する場合には,被検者を基礎代謝状態にしなければならない.これは最も大切なことである.もし,測定時に患者が基礎代謝の状態になければ,酸素消費量は正確に測定できたとしても,基礎代謝量を測定したことにはならないことになる.
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