技術講座 血清
梅毒の血清学的診断法II—脂質抗原試験(その1)
菅原 孝雄
1
,
山屋 駿一
1
,
笠松 重雄
1
1国立予防衛生研究所細菌第2部
pp.309-318
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201821
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脂質抗原試験の発達
脂質を抗原とする梅毒血清反応は,1906年Wassermannらが,先天梅毒児の肝臓水抽出液を抗原とした補体結合反応を実施して以来,今日に及んでいる.Wassermannが抗原液として先天梅毒児の肝臓抽出液を用いたのは,このような組織抽出液には,抗原となるべきTreponema pallidum(TP)が多量に存在しているからであった.
ところが,その後の研究で,この抗原物質は,梅毒に感染しない正常な肝臓にも含まれることが分かり,アルコールに可溶性であることも判明した.
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