技術講座 生理
睡眠賦活法
星 昭輝
1
1慶応大学病院中央臨床検査部,精神神経科
pp.319-326
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201822
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臨床脳波検査では,被検者が覚醒し心身ともに安静で閉眼した状態の脳波記録,すなわち安静閉眼時記録(resting record)が判定の基礎となっている.しかし,安静閉眼時脳波において異常所見が認められない場合にも睡眠状態やある種の刺激,負荷が被検者に加わった際の脳波記録では異常所見が出現することがある.このように安静閉眼時には認められなかった異常所見を新たに誘発する目的で行われる操作を脳波の賦活(activation)と言う.
脳波検査室においては一般にルーチンの賦活法として開閉眼,閃光刺激,過呼吸が行われ,更に必要に応じて本稿のテーマである睡眠賦活(sleep activation)や痙攣誘発剤の投与などが行われている.睡眠賦活は総合的にみると,現在最も優れた脳波賦活法である7)とも言われているが,これには自然睡眠(natural sleep)によるものと睡眠誘発剤による誘発睡眠(induced sleep)とがある.
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