技術講座 血清
梅毒の血清学的診断法Ⅲ—脂質抗原試験(その2)
山屋 駿一
1
,
菅原 孝雄
,
笠松 重雄
1国立予防衛生研究所細菌第2部
pp.556-567
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201875
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梅毒の補体結合反応
梅毒の補体結合反応としては,脂質系の抗原を用いる方法が古くから行われ,一般にWassermann反応と呼ばれて,広く実用化されてきた.
1949年(昭和24年)に創案された緒方法は,カルジオリピン抗原(カルジオリピン,レシチン及びコレステロールを混合し,梅毒の補体結合反応用に調製したもの)を用いる補体結合反応で,今日に至るまで広く応用されている.緒方法は,他の反応と比較して最も感度が優れている.緒方法の特徴は抗原減量法であるため,抗原抗体反応の特異的パターン(最適比)を検出できることにあり,これが本法の信頼性を高めた最大の理由となっている.
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