病気のはなし
副甲状腺機能亢進症
藤田 拓男
1
1神戸大学第3内科
pp.104-108
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201775
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副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンの分泌が病的に亢進する状態であって,副甲状腺そのものに原因がある場合,すなわち原発性副甲状腺機能亢進症と腎不全そのほか副甲状腺以外に原因があって起こるもの,すなわち続発性副甲状腺機能亢進症とに分けられ,これらは症状,検査所見,治療の点ですべて全く異なった疾患である.
原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺ホルモンの生理作用を明らかにする端緒をつくった点で,カルシウム代謝研究の原点とも言われており,その病態を理解することは,極めて重要であるばかりでなく,また実際的にも,尿路結石や骨変化の強いものがあり,治療可能な疾患であって,かなり広く見られる状態であるために,その知識は応用範囲が広く日常の検査活動にとっても不可欠なものである.そこで主として検査所見の面からこの病気を見ていきたい.
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