測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
血清中の補体活性と蛋白量
近藤 元治
1
,
竹村 周平
2
1京都府立医科大学第1内科
2京都府立医科大学第3内科
pp.24-27
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201763
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抗生物質の発見されるまで,人類の死因の第一位は感染症であった.このため,感染(疫)から免れる手段として研究されたのが免疫学である.細菌感染に際して,血中には抗体が産生され,それに血中に存在する補体(complement)が加わると,細菌は溶解され,あるいは白血球やマクロファージにより貪食される.このように,補体は抗体とともに,感染防御機構の担い手として注目されるようになった.
最近では,臨床的に自己免疫疾患,感染症,悪性腫瘍,DIC(血管内凝固症候群)など広範囲にわたって,補体測定の必要性が叫ばれているが,何となく補体になじみにくい人が多いようである,この補体に対するアレルギーは,補体系が9種の成分といくつかのコントロール物質から成り,また活性化系路が単一でないばかりか,活性化を受けると血中補体価が低下するという,他の酵素には見られない変化をとることに原因するようである.しかし,現実に補体測定に対するニードが高まっている以上,捕体の測定理論と異常値に対する正しい解釈を知らねばならない.以下に補体測定の問題点を述べてみる.
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