マスターしよう基本操作
細菌検査材料の採取法と取り扱い
小栗 豊子
1
1順天堂大学中検細菌検査室
pp.491-498
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201639
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臨床細菌検査において信頼できる検査成績を得るためには,①検査材料の選択(感染症の起炎菌が多く含まれている可能性のある材料を選ぶ),②材料の採取(皮膚,粘膜の常在菌,化学療法剤,消毒薬の混入をできるだけ避け,無菌操作のもとで適当な滅菌容器に採取する),③材料の保存(乾燥を防ぎ4℃に保存.ただしリン菌,髄膜炎菌のように低温で死滅しやすい菌種の検査を目的とする場合は37℃で保存.いずれの場合も長時間に及ぶのは不可),④検査(目的に適合した培地,培養法を選び正しい手技で検査),の4過程が確実に行われなければならない.このうち材料の採取は主として医師または看護婦により行われているが,検査担当者も検査材料の正しい採取法についての知識を備え,3者間の連絡を密にしてお互いに納得できる方法で行うことができれば理想的であろう.また臨床細菌検査は無菌操作を必要とすることなど他の臨床検査と異なった取り扱い方をする.
これらのことを踏まえ,臨床細菌検査における材料の採取から保存に至る取り扱い方について解説する.
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