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血清タンパクの免疫学的定量法としては,ゲル内沈降反応を応用した方法1〜3)があるが,なかでも一元放射免疫拡散法(single radial immunodiffusion,SRID法)が日常検査には最も多く利用されている.特異性が高く,手技も簡単で日常検査に適した簡便な方法である.しかし,実際に多くの検体を測定した場合に,検体種によっては必ずしも理論に一致した値が得られるとは限らない.また迅速性に欠け,マススクリーニングを考えた場合には自動化が困難な方法である.
近年,レーザーを光源とする光散乱法(lasernephelometory,LN法)による血中特異タンパクの定量法が普及してきた.LN法の原理は緩衝液中で抗原抗体反応を行い,生成した抗原抗体複合物にレーザーを照射し,その散乱光の強度を測定して試料中の抗原濃度を求めるものである.原理的には光散乱法の応用であり,特徴としては光源にレーザーを用いている点である.光散乱法によって血中の特異タンパクを定量する方法は,既に1967年Ritchie4)により試みられ,螢光比ろう法(fluoro nephelometory)を原理とするAIP法(automated immuno precipitation analysis)が確立されている5).AIP法もLN法もともに溶液内沈降反応による免疫複合物を光散乱法で測定する方法であるが,両者の大きな違いは測定機器の光学系にある.前者は水銀ランプを光源とし,355nmの波長を取り出し,90度方向の波長変化を伴わない散乱光を測定するのに対し,後老はHe-Neレーザーから得られる632.8nmの光を直接試料に照射し,散乱強度のいちばん強い角度での波長変化を伴わない散乱光を測定する.
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