技術講座 細菌
Haemophilus属の分離と同定
小栗 豊子
1
1順大病院中検
pp.837-840
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Haemophilus属はHaemophilic(血液成分を好む)な発育をすることから,和名で血好菌属とも呼ばれる.Bergeyの書(Bergey's Manual of Determinative Bacteriology,第8版)によれば本菌属には19菌種が記載されているが,人体に関係の深い菌種は表2に示した8菌種である.Haemophilus属中病原菌として重要なのはH. influenzae,H. aegorptius,H. ducreyi H. aphrophilusがあげられる.
H. influenzaeの和名はインフルエンザ菌であるが,インフルエンザ患者の鼻咽頭よりしばしば検出されたことから,インフルエンザの病原体と誤って命名された(インフルエンザの病原体はインフルエンザウイルスである).H. inflecenzaeは呼吸器,耳由来材料より分離されることが多く,また小児の化膿性髄膜炎患者の髄液からも分離される.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.