最近の検査技術
CPC検査(赤血球膜物性検査)
川越 裕也
1
1阪大輸血部
pp.765-771
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201474
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
CPC(coil planet centrifugeまたはcyclic pathcentrifugeの略)検査は赤血球抵抗検査の一つであり,赤血球の浸透圧抵抗性のほかに物理的機械的抵抗をも含めた赤血球脆弱度を,その微妙な溶血曲線により知ろうとするものである.その溶血曲線には赤血球膜の状態が大きく関与することから,赤血球膜物性検査とも呼ばれている.
各種溶血性貧血はもとより低色素性貧血,各種白血病や鉛中毒などの公害,更に肝障害,人工透析術,大手術時においてもCPC溶血曲線が変化し,診断に役立つことが知られている.また血液センター,輸血部などでは保存血液の血球の変化,洗浄の影響などによる血球の変化にCPC溶血曲線が敏感に反応することから,保存血液の鑑別にも利用されている.ここではCPC検査法について実際の手技を分かりやすく解説し,その結果の読み方,診断への道についても簡単に言及する.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.