病気のはなし
高血圧
西尾 一郎
1
,
増山 善明
1
1和歌山医大・循環器内科
pp.406-412
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201367
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高血圧とは
高血圧という言葉は,血管内圧が高いという症候を表すものである.通常単に高血圧と言えば,体循環のうち動脈系の圧の上昇している状態を指し,肺循環や門脈系の圧の上昇は肺高血圧,門脈圧亢進として別の表現法を用いる.
動脈内の圧は心室収縮の初期に最大となり,心室拡張期の終わりに最小となる.前者を最大血圧(収縮期血圧),後者を最小血圧(拡張期血圧)と呼ぶ.血圧は物理的には心拍出量と末梢血管抵抗の関数であるが,血管壁の弾性,血液量,血液の粘稠度などにより修飾される.
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