けんさ質問箱
HBs抗原,抗体とも陽性の症例
蒲池 正次
1
,
S生
1防衛医大病院輸血部
pp.94-96
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204850
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問 当検査室ではHBs抗原・抗体の検査をRPHA法・PHA法(ミドリ十字)にて行っています.その際,時にHBs抗原・抗体ともに陽性の検体がありますが,これは臨床的にどのように考えればよいのでしょうか.(広島県・S生)
答 肝炎ウイルスの起因ウイルスにはA型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルスが知られているほかに,近年,未知のウイルスとして非A非B型肝炎ウイルスがクローズアップされている.A型肝炎あるいはB型肝炎はその全貌がほぼ明らかになり,経口的に感染する流行性肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)によるA型肝炎であって潜伏期も比較的短く,急性肝炎のみで,慢性化することはないが,まれに遷延化する例が認められる.現在では衛生環境の改善とともに減少し,散発性あるいは小集団発生的にみられるにすぎない.
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