技術講座 血液
網赤血球数
相賀 静子
1
1国立病院医療センター血液検査室
pp.353-355
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201351
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網赤血球は中央検査室ではルーチン検査として毎日検査される項目である.
網赤血球は赤血球の需要が高まると,それに応じて骨髄中から産生され,末梢血中に遊出して増加する.すなわち,網赤血球は骨髄の造血能を反映する.これを網赤血球分利という.これは血液病(溶血性貧血,再生不良性貧血,鉄欠乏性貧血など)の診断と治療に役立っている.診断には網赤血球が常に低値を示す場合は再生不良性貧血を考え,また網赤血球が常に増加している場合には溶血性貧血が最も疑われる.治療には治療開始直後の薬剤投与による網赤血球の増加を指標にする.
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