技術講座 生化学
ホスファターゼ(アルカリ,酸)
内田 壱夫
1
1日本医学研究所技術部
pp.905-911
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201227
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ホスファターゼとは,リン酸化合物を加水分解する酵素群の総称であり,ホスフォエステラーゼ,ホスファミダーゼ,ピロホスファターゼなどに分類されている.リン酸は三塩基酸であるから,そのエステルには,モノエステル(ブドウ糖-6-リン酸,グリセロリン酸,フェニルリン酸など),ジエステル(ジフェニルリン酸エステル,RNA,DNAなど)トリエステルがある.一般にホスファターゼと称されているのは,広く種々のアルコールモノエステルを水解するゆえに非特異性のホスファモノエステラーゼと称されるものを指し,その至適pHによって2群に分類され,この両者に共通の名称としてorthophosphoric monoesterphosphohydrolase(E.C. 3.1.3.1,3.1.3.2)が与えられ,これを古くからアルカリ性及び酸性ホスファターゼと呼んできた.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.