測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
血沈—実際と理論
磯貝 行秀
1
1慈恵医大第4内科
pp.333-336
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201050
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血液を非凝固性にしてガラスの細管に吸引し一端を封じて垂直に保持すると,時間がたつに従い血漿と血球の2層が明瞭な境界線をもって分離してくる,両者の比重の差によって血球が沈降し血漿層が形成されるためであるが,後者の厚みを計測して血球の自然な沈降速度を求めたものが血沈である.これは赤血球の沈降をみたものにほかならないので赤血球沈降速度(赤沈)とも呼ばれる.
血沈は非常に単純な明快な検査で古くから愛用されてきているが,そこから引き出しうる情報は非特異的な内容のものであるので,臨床的評価は必ずしも一定していない.
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