技術講座 生化学
アミラーゼ
内田 壱夫
1
1日本医学研究所技術部
pp.132-137
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200994
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アミラーゼはデンプン,グリコゲン,アミロース,アミロペクチン,デキストリンなどの多糖体のα-1.4-グリコシド結合または,α-1,6-グリコシド結合を水解する酵素で,表1のごとく分類される.
これらのうち,臨床上重要なのは膵臓唾液腺,血液,尿に存在するα-アミラーゼである.α-アミラーゼは,分子量約50,000,至適pHは,6.9,1分子中に少なくとも1当量のCa2+を含み,Cl-のごとき1価の陰イオンを活性保持のため必要とするendo型の典型的な酵素で,その作用は,基質となる多糖体のα-1,4-グリコシド結合を無選択に水解しデキストリンとする(1次反応).更にデキストリンを水解し,α-マルトース,マルトトリオース,グルコースにする作用がある(2次反応).1次反応は急速に起こりデンプンのヨウ素発色性が失われ粘度が低下する.2次反応の反応速度は遅く,最終分解生成物はマルトースが主でマルトトリォースと少量のグルコースである.
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