技術講座 細菌
真菌検査法
上村 高明
1
,
吉田 金三
1
1阪大微研観音寺研究所
pp.67-70
発行日 1975年10月1日
Published Date 1975/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200899
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
真菌検査は臨床細菌検査室の業務として,量的にはあまり多いとは言えない.しかし一般細菌のように,ほぼ一定時間後に集落を作り,生化学的性状から同定するというシステムは,一部の酵母様真菌を除いては確立されていない.そのために検査を始めたが雑菌カビの汚染や,培養日数の長さから途中であきらめてしまうことになる.
真菌は集落の色調,形態,発育温度,速度,胞子の形成,一部の酵母様真菌については血清学的分類,動物実験などによって同定される.また材料中に見いだされる形なども同定に大きな参考となるため,鏡検の所見は重要である.また真菌は継代を重ねると特徴のある胞子の形成が見られなくなることも多いため,できる限り分離当初に培養中の観察を怠らず,同定できるよう努力しなければならない.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.