Senior Course 細菌
医真菌検査法
小林 種一
2
,
三輪谷 俊夫
1
1阪大微研・細菌血清学部
2国立大阪病院研究検査科
pp.1148-1149
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908712
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近年臨床各科において,真菌症は増加の傾向にある.これは宿主と寄生体との関係によるものであり,宿主ならびに寄生体の諸因子の変動がこの感染発症に大きな影響を与えているためである.多方面にわたる治療法の進歩により,癌や白血病患者にみられるように生命を長らええた悪性腫瘍患者の末期に真菌症が発病する例(ter-minal infection),また抗生物質の大量療法による菌交代現象,その他免疫抑制剤や放射線療法なども真菌症発症の原因となっている.しかし,このような傾向に対して一般的には,中央臨床検査部の組織化がすすんで,臨床細菌検査は一応確立されているが,病原真菌の検査となると,どこの施設でも積極的に実施されているとは限らない.日常細菌検査を行っていると,血液寒天やTGC培地などに真菌類が発育してくることは決してまれではない.臨床細菌検査に携わっている者も真菌類を念頭におかないで検査を行うことはできないようになってきた.
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