特集 必修 日常検査の実技
血清
RA,LE
上尾 八郎
1
1京大病院中検
pp.50-51
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200838
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慢性関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis;RA)の患者血清中には,変性マクログロブリンの一種と考えられるリウマチ因子(RF)が出現する.RFは自己または他種のIgGと結合する性質を有し,ヒトγグロブリンをコートさせたポリスチレン・ラテックス粒子を凝集する.この方法を臨床検査の一手技として,RAの診断に利用したものがRATである.RATは試薬の管理,検査技術が簡単で,従来よりRF証明のオリジナルな方法であるワーラー・ローズ反応をしのぎ,RAのスクリーニングテストとして検査室で広く行われている.
一方LETはポリスチレン・ラテックスに仔ウシ胸腺組織から抽出精製したデオキシリボ核酸(DNA)を吸着させた試薬(LET試薬)と,全身性エリテマトーデス(SLE)患者の血清を反応させると抗核因子(LE因子)により,ラテックスの凝集が起こることを利用した検査である.
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