技術講座 細菌
咽頭粘液の検査法
小栗 豊子
1
1順大病院中検
pp.66-67
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200686
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咽頭粘液の培養は咽頭炎,扁桃炎のほか猩紅熱,リウマチ熱,急性糸球体腎炎の患者ないしこれらの疾患が疑われる場合に主として行われる.また痰を喀出できない患者の下気道感染症の原因菌検索にも用いられることがある.その他髄膜炎菌の保菌者検索,溶血レンサ球菌(以下溶連菌と記す)の疫学調査にも行われる.また種々のウイルス感染症患者の病原体分離にも用いられる.
一方,咽頭には実に多くの微生物が常在しており,細菌を例にとっても嫌気性菌,好気性菌,真菌に及ぶ.そしてこれらの常在菌はしばしば原因菌の検出を困難にするばかりでなく,ときには原因菌の決定を錯乱させる.
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