技術講座 細菌
培養検査法4—喀痰・咽頭粘液
竹森 紘一
1
,
澤江 義郎
2
1九州大学病院検査部
2九州大学医療技術短期大学部
pp.523-528
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203366
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肺炎や気管支炎などの下気道感染症の病因的診断には,喀痰の検索が必要である.また,扁桃炎や咽頭炎,さらに副鼻腔炎などの上気道感染症では咽頭粘液の検索が不可欠である.気道分泌物,病巣吸引物がよりよい検査材料となるが,これらは特別な採取法によるものであり,大部分のものは喀痰と咽頭粘液である.小児科領域では喀痰の採取が困難であるため,咽頭粘液や鼻腔粘液が喀痰の代わりとして用いられることが多い.
これらの検体は口腔内や咽頭内の常在菌の混入を避け難く,起炎菌の検索には常在菌との鑑別が必要となる.そのために種々の工夫がなされているが,常在菌の混入の少ない材料の採取が必要である.
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