基礎から応用へ
コレステロールの非水系呈色反応
坂岸 良克
1
1埼玉医大・生化学
pp.28-32
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200671
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コレステロールの定量が容易になったのは光電比色計が普及してからである.このかなり安定なステロイド化合物はアルコールであるが水に溶けず,通常の条件下では特異的化学反応がない.このため,結石中のコレステロールなどをLiebermann-Burchard反応という強烈なる非水系反応によって発色させる検出法から,定量法に進むまでにはかなりの期間を要している.
コレステロールは副腎皮質ホルモン,性ホルモン,ビタミンD3あるいは胆汁酸の素材であり,不飽和脂肪酸の運搬体である.その生体における意義を考えると,今後もコレステロールの定量は重要な検査項目として実施されよう.最近,コレステロール酸化酵素によってΔ4-コレステノンとし,生ずるH2O2をペルオキシダーゼと4-アミノアンチピリン・フェノール発色系に導く方法が開発されさらにコレステロール水解酵素を組み合わせてエステル型も測れるようになったので,忘れられないうちにLiebermann-Burchard法およびZak法の原理をまとめ,この方法を検討してみよう.
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