マスターしよう基本操作
血漿プロトロンビン時間の測定
大竹 順子
1
1順天堂大学病院中央臨床検査室
pp.739-745
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204154
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プロトロビン時間(PT)は,外因系凝固因子(第Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ,Ⅹ因子)欠乏のスクリーニング,経口抗凝固薬療法のコントロール,肝機能障害の重症度判定などに用いられる検査である.測定方法は,①内径8mmの小試験管に被検血漿を100μl採り,37℃の恒温水槽に約3分保温する.続いて,②あらかじめ37℃に保温してある試薬(組織トロンボプラスチン・塩化カルシウム液の混合液)200μlを加えると同時にストップウォッチを始動する.③直ちにまたは10秒静置後に,恒温水槽から小試験管を取り出し,傾斜させながらフィブリンの析出し始める時間を血漿と試薬の混合液が白濁することで確認しとらえる.これが基本手技である.簡単な測定手技であるが,抗凝固剤の種類および全血と抗凝固剤の割合,採血手技,検体の保存条件,測定時の恒温水槽の温度,ストップウォッチを始動するタイミング,小試験管の傾け方,フィブリン析出をとらえる時の照明の具合いなどによって成績のバラツキが起こる.以下,用手法で行うプロトロンビン時間測定で,なるべくバラツキが小さくてすむような具体的方法を述べる.
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