技術講座 血清
不完全抗体検査法・1 クームス試験
藤原 ムチ
1
1東京女医大輸血部
pp.64-65
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200489
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血液型抗体の中には完全抗体と不完全抗体の2種があり,これらの多くは免疫によって産生されるものが多い.免疫のきわめて初期に産生される抗体が完全抗体,免疫が進むにつれて産生される抗体が不完全抗体であり,免疫の初期にできてくる抗体は,正常に存在する抗A・抗B抗体の性質に非常に似ているか,それに近いものであるが,免疫の後期に産生されてくる抗体は正常抗体と性質を異にするようになる.完全抗体と不完全抗体の性質の相違の中で特に重要なのは不完全抗体が輸血副作用の大きな原因となることと,胎盤を通過する性質があるので新生児溶血性疾患の原因となることである.
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