技術講座 輸血
クームス試験
曽根 伸治
1
1東京大学医学部附属病院輸血部
pp.407-414
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102811
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新しい知見
クームス試験(抗グロブリン試験)は,赤血球上の血液型抗原と抗赤血球抗体あるいは赤血球と非特異的に反応した抗体を検出するために,クームス(抗ヒト免疫グロブリン)試薬を加えて赤血球の凝集を検出する検査法である.従来は,試験管を用いて検査を実施していたが,現在ではゲルやガラスビーズを充塡したマイクロチューブ(カラム)やマイクロプレートを利用して,ABO血液型やRho(D)血液型,不規則抗体検査,直接クームス試験が行われている.カラム凝集法やマイクロプレート法は,自動で適切な血球浮遊液の作成や正確な血漿量の分注が可能で,臨床検査技師の技量による差がなく適正な条件で検査ができる.また,結果を自動判定して上位システムにオンラインで取り込むことで,判定や結果入力などの過誤が防止でき,安全な輸血検査が可能である.
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