技術講座 細菌
胆汁の検査法
小栗 豊子
1
1順大病院中検
pp.66-67
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200490
- 有料閲覧
- 文献概要
胆汁の培養検査は主として胆嚢,胆管の感染症を疑う患者が対象とされるが,特殊な場合としてはサルモネラの保菌者の検査を目的に行うこともある.胆汁を無菌的に採取することは手術,解剖による以外は一般に困難とされている.日常検査に供される胆汁は十二指腸ゾンデにより,十二指腸に流出した胆汁を採取したものである.すなわち患者に十二指腸ゾンデを経口的に飲ませ,管の先端が胃を経て十二指腸に到達したところで採取される.したがってこれには胆汁のほか,十二指腸液,膵液,ときには胃液が混入することがある.培養検査ではA胆汁,B胆汁,C胆汁の3種類について検査を依頼される場合がある.この場合には3種の胆汁の菌数を比較し,特にB胆汁の菌数が多い場合には胆嚢内感染が強く疑われる.胆汁より検出される主要な病原体は表に示した.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.