技術講座 生理
脳波検査のコツ・2—賦活法について
石山 陽事
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.68-69
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200228
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脳波検査はふつう覚醒状態で行なうが,てんかんの患者でも日常検査としての短時間の脳波記録からは異常波が発見されないことがある.発作は脳細胞の興奮性が異常に変化した場合に起こると考えられているが,この脳細胞の興奮あるいは抑制は,生体に対して何らかの外的および内的刺激が与えられた場合に起こるとされている.日常検査では潜在的にもっている脳波異常を,脳の興奮性をなんらかの方法で変えることによって短時間のうちに引き出そうとしたり,より明確にしようとする方法がとられている.これを賦活(activation)法と呼んでいる.
賦活法としては通常,過呼吸(HV),閃光刺激(PS),睡眠,薬物,音刺激,あるいはこれらの組み合わせによる方法が用いられている.これらの賦活法がてんかんの患者では,ときにけいれん発作まで引き起こすことがあるから,検査技師はそのつもりで準備をしていなければいけない.薬物注射を用いる場合には医師の立ち会いのもとで行なうことが必要である.賦活法の脳波誘導は単極導出で行なう場合が多い.
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