技術講座 生理
生理検査のコツ・2
石山 陽事
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.70-71
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200153
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生体に発生する電気現象を周波数分析してその周波数の範囲をみると,直流から数十kHzにわたっており,電圧は数μVから数百mVと非常にその範囲が広い.たとえば臨床的に必要な心電図の周波数範囲は0.1-30Hz,電位は数百μV-数mVであり,脳波は0.5-60Hz,および数μV-数百μVと非常に低レベルの信号である.ことに脳波計の増幅器は心電計のそれと比較して,低雑音高感度の増幅器が要求される.最近はエレクトロニクスの発達でこれらの要求はかなり満たされるようになった.しかしどんなにすばらしい検査機器を使用しても,患者の取り扱いが悪かったり,未熟な技術では高性能の機器を十分に生かすことができない.このような低レベル信号を雑音と区別し,できるだけ雑音の少ないデータにすることも技師の役目である.前回は心電図について述べたが,今回は脳波について述べることにする.
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