増刊号 超音波×病理 対比アトラス
5章 心臓
9 心筋梗塞―70歳代男性
刑部 弥生
1
,
高橋 保裕
2
,
手島 伸一
1,3
1同愛記念病院研究検査科
2同愛記念病院循環器内科
3湘南鎌倉総合病院病理診断部
pp.1080-1082
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104455
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症例の概要
70歳代,男性.40歳代に急性心筋梗塞で冠動脈バイパス術を受けた.60歳代にグラフトの閉塞が確認され,以後心不全で数回の入退院を繰り返している.死亡2カ月前から息切れの増悪と下肢浮腫が認められた.心カテーテル検査では,右冠動脈中間部完全閉塞,左下行枝中間部完全閉塞,回旋枝近位部亜完全閉塞を認めた.心エコーでは全周性に壁運動が低下し,前壁中隔と下壁~後壁の壁エコーの輝度の上昇と菲薄化がみられ,陳旧性心筋梗塞を認める.右冠動脈の血行再建を試みるも,心不全が増悪し死亡した.剖検では,左心室前壁,後壁,下壁に古い梗塞巣,心室中隔に新鮮な梗塞巣を認めた.左右の冠動脈は著明なアテロームで,内腔はほとんど閉塞していた.
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